募集時価と本来価値

いつも何かとありがとうございます。

賃貸アパートを借りる際に、一番気になるのが家賃ではないでしょうか。
毎月のことですから当然ですよね。

この家賃がどのようにして決まっているのかについては少し前のブログでふれさせていただきましたが、端的に言うと、借りたいという「需要」と、貸したいという「供給」の最大公約数で決められています。
つまりはそれが相場ということになるのですが、では、一定の期間を経て、将来この物件の一室に空きが出た際の家賃はどのようにして決まるのでしょうか。

一般的には新築時に設定した家賃をそのまま踏襲していることが多いようです。
需給のバランスで家賃は決まっていると書きましたが、ここにはその原理が反映されていないのが業界の実情なんですね。

本来、需給のバランスというのはその時々で当然異なるものです。
その時に、近傍同種の物件に空きが1室もなければその部屋は格段に競争力を持ちますが、反対に、周辺に同等の物件がいくつも存在すると、たちまちその競争に巻き込まれてしまい、設備等をアップグレードしてスペックで差別化を図るか、あるいは家賃を下げて価格競争で優位に立たなくてはならなくなります。
このように、本来お部屋の募集時価は、募集時ごとに周辺の市況を鑑みて精査し、その都度決めていくことが望ましいと私は考えています。

では、どうしてそれがほとんど行われていないのかというと、それは、その物件の本来価値を考えた時にその家賃差の妥当性を見出せていないからです。
マンションやハイツといった共同住宅では、一棟に複数の同タイプの住戸があります。
立地も築年数も、間取りも設備も全く同等のものですから、お隣の家賃を聞きつけた入居者様は、当然、なぜうちの部屋は高いの?となることが容易に想像できます。
その時にもっともな説明が出来ないんですね。

分譲マンションでは同じタイプの住戸でも、購入の時期によってはその価格に差があります。
それは、先ほどの市場原理に基づいてその都度価格査定が行われているからで、その時、希少価値があれば価格は高くなりますし、市場に在庫がダブついていると下落します。

購入なら自己責任と諦めもつくのでしょうが、賃貸では貸主という「言っていく先」が存在するため、棟内で不平等、不均衡などが生じると、それは容易く大きなハレーションとなってしまう傾向があり、それを敬遠する貸主心理が市場の原理の妨げとなっているように思います。

そもそもは、契約自由の原則がありますので、同じマンションでも募集時その時々で需給バランスから最適な最大公約数(家賃)をその都度見極めて募集条件を決めることが、不動産の、こと賃貸の家賃相場を健全化することにつながっていきますので、私たちは募集条件の精査に多くの時間を充てています。

不動産は価値が流動するものです。
とくに賃貸不動産は収益が目的ですので、本来価値だけに捉われるのではなく、大きく影響を受ける経済循環要因の中でも、その生産性を最大化することが私たちのミッションだと考えております。

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