インボイスの余波

いつも何かとありがとうございます。

消費税のインボイス制度(適格請求書)が始まって一ヶ月が経ちました。
導入までに相応の準備期間がありましたので当社では大きな混乱はありませんでしたが、先々では発行された領収書に適格番号が記載されていない、税率と税額が記入されていないなど、すべての事業者への周知という点ではまだまだ不十分のように感じます。

本制度の導入にあたり最も頭を悩ませたのは、当社とお取引のある免税業者との価格についてでした。
税制指針の通りにこれまでの支払額から消費税を差し引きすると、その個人事業者にとっては減収となってしまいます。
税額は10%ですから当社にとっても決して小さくないインパクトではありましたが、結論として、肩代わりして従来通りの価格を維持することにしました。

誰かがその負担を被ることからは逃れられませんし、自分たちが損をしたくないという「損得」の基準と、マンション・アパートのオーナー様のほとんどが個人事業者であり、私たちはその多くのお客様に支えられてこれまでやってくることが出来たという「思い」の針。
その二つの基準を当社の社是である「三方善し」に照らした時、迷わず損得ではなく、どちらが「善」かをもとに判断することにしました。
背に腹は代えられないからと自分たちに都合のいい理由を見出すことは簡単でしたが、自分さえ良ければそれでいいのかと弱い自分と戦い、険しいほうを選んでいます。
もしいつか、同じような境遇で値下げを強いられた方の話を聞かれた際には、私たちが踏ん張っていることも知っていただけるのかもしれません。

現行の制度では、個人のお店で子供が100円のお菓子に10円の消費税を加えて支払ったものを、免税業者という理由で110円の収入にしてしまうこともできてしまいます。
その子供に知られてしまうことはありませんが、でも自分だけはそのことを分かっているんですよね。
立場が変わると考えも変わるものですし、誰かが悪いわけでもないのですが、思いやる心が協奏して社会がより善くなっていければいいなと思います。

天を相手にせよ。
稲盛塾長からは、常に「自分の中にある良心と向き合いなさい」と教わりました。

制度とは多くの場合でいくつかの解釈と抜け道があるように思います。
当事者になった時にどの解釈を採り、その基でいかなる判断をするかについて、私たちは常に本来どうあるべきかという「善」に従っています。
利益を損なう判断をすることは経営者として容易ではありませんでしたが、振り返ると「与える」という行為が「もらう」欲よりも、結果的には回りまわって何倍も何十倍も大きくなって返ってくることを幾度も経験してきました。

だから迷いはありません。
それは、ハウツーホームが創り上げてきた強みの一つでもありますから。

何か私たちでお役に立つことがあれば、お手伝いさせてください。